蜘蛛巣城
監督 黒澤明
出演 三船敏郎
山田五十鈴
千秋実
公開 1957年
シェイクスピアのマクベスを時代劇にした作品。
武時(三船敏郎)が、森で会ったババァに予言された通りに城の主になり、
その後悲劇に見舞われるというお話。
能を取り入れた実験的な作風、情けない三船敏郎など、
今まで僕が見てきた黒澤映画に無い要素が沢山あって楽しめました。
注目はなんといってもラストの武時(三船敏郎)が矢で射られるシーン。
実際本物の矢を使って撮影したという何とも昭和なリアリズム演出で、
後に三船がキレて黒澤監督宅にライフルを持って乗り込んだという逸話も生まれる
鬼気迫るシーン。
ここだけでも見る価値あり。
乱も同じような感じの作品でしたが、僕は乱の方が好きでした。
★★★★☆
椿三十郎
監督 黒澤明
出演 三船敏郎
仲代達矢
公開 1962年
大分前に見てほぼ忘れていたので再見。
用心棒を見てからだと続編っぽい感じに見えますが、さにあらず。
企画自体は続編企画らしく、三十郎の設定は同じですが、他に共通点は無し。
この時代くらいの三船敏郎が一番好きですね。
覚えていた印象よりも大分コミカルな演出が多くてビックリ。
構図もハッとするほど綺麗にハマっているシーンがいくつもあるし、
ストーリーも分かりやすく飽きさせない。面白い。やっぱり。
個人的な好みで言うと用心棒のハードボイルドな雰囲気の方が好きではあるけど、
ラストの殺陣シーンはもはや笑っちゃうくらいの完璧さでした。
前に見た時はそんなに印象に残らなかったんですが、
改めて見るとエポックメイキングな作品だったんですね。
★★★★と半分
赤ひげ
監督 黒澤明
出演 三船敏郎
加山雄三
山崎努
公開 1965年
山本周五郎原作。
黒澤明の人間讃歌はどれも素晴らしいけれども、この作品も爽やかだけど重い感動が。
予備知識がないまま見たんですが、赤ひげこと三船敏郎が主役かと思いきや
加山雄三がメイン。あまり滑舌が良くないような感じですが、
七人の侍で言うところの勝四郎的な役回りで、若さと勢いに溢れていて好印象でした。
今更あれこれ言うような作品ではありませんが、
先生と弟子モノの基本になるような作品でした。
面白くないわけがありませんでした。
尺は結構長いのにそれを全く感じさせない力強さ。
★★★★★
乱
監督 黒澤明
出演 仲代達矢
寺尾聰
根津甚八
隆大介
原田美枝子
公開 1985年
四大悲劇の一つ、シェイクスピアのリア王をベースに作られた
黒澤明最後の時代劇。監督は人類への遺言としてこの映画を作成したそうです。
このポスターも大層恐ろしい仲代達矢ですが、
メイク、衣装がとても効果的に使われていて、
ストーリーをより分かりやすく、映画的に演出しています。
黒澤映画のカラー作品は初めてちゃんと見ましたが
流石、見事な演出力だと思いました。
ここまで「カラー」ということを意識した映画って
ちょっと無いんじゃないでしょうか。
因果応報の話で、爽快な時代活劇ではないものの
今までの黒澤映画にない圧倒的なスケールが存分に活かされていて
正気と狂気が入り交じり、含蓄のある話なんでしょうけど
人間の滑稽さが強調される、そんな対比がとても面白い映画でした。
★★★★☆
生きる
監督 黒澤明
出演 志村喬
金子信雄
公開 1952年
三船敏郎が出演していない黒澤作品。
“生きる”という普遍的で凄く描きずらいテーマに正面から向かった勇気がまず素晴らしい。
その姿勢はまるでこの映画の志村喬そのものにも思えます。
少し説教臭い向きもありますが、若い人こそ見るべき映画なんでしょう。
それにしてもこの映画の志村喬の演技は七人の侍なんかで見せてた表情と全く異なっていて
もう目が怖い。必死さも怖い。
生きることを模索するその姿が情けなくも痛ましい。
そして生き返ったその姿の美しさが心に残ります。
この映画は構成も見事で、ストーリー、時間軸の
組み立て方にはちょっとびっくりしました。
(今となってはそんなに珍しくもないかもしれませんが…。)
なんにせよ、今現在でも、ここまでストレートに生きることを描いた映画って
なかなか無いと思うので、一度は見ておいた方がいい作品かなぁと思います。
★★★★☆








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