V for Vendetta / Alan Moore & David Lloyd
ぼやぼやしてる内に廃刊になりそうな感じだったので
慌てて購入。
映画はまだ未見。
アラン・ムーア先生初期の作品ということもあり、
直接的な共産主義、全体主義に対するアンチテーゼとアナーキズムへの傾倒が
顕著に描かれるイギリスを舞台としたグラフィック・ノベルです。
オノマトペを一切使用しない構成や、文学からの引用が多いのも特徴。
“V”が単純なヒーローとして描かれるのではなく、
アナーキーの象徴、国民を煽動するテロリストとして
一種のイコン的に表現されているのが面白い。
ただの狂人という見方もできると思いますが。
読み直す度に発見がありそうな本です。
小説”1984年”に近い世界観なので、
ジョージ・オーウェルが好きならきっと楽しめると思います。
V for Vendetta
監督 ジェームズ・マクティーグ
製作 ジョエル・シルバー
グラント・ヒル
ウォシャウスキー兄弟
出演 ナタリー・ポートマン
ヒューゴ・ウィーヴィング
公開 2006年
コミックに引き続き映画も見てみました。
原作では人物関係がもう少し入り組んでいて
ちょっと難しい部分もありましたが、オリジナルな設定を加えて
タイトにまとめられた映画だと思います。
ただ、ストーリー終盤の議事堂に国民が集う時に
全員”V”のかぶってるガイ・フォークスの仮面をつけて登場するっていうのは
根本的に”V”の理念とは逆なんじゃないの?って気もします。
そもそも”V”は理念であって、それ自体が偶像、シンボルになってしまっては
結果独裁主義に陥る可能性もあるわけで、最後みんな仮面をとるとはいえどうなのかしらん。
しかもアナーキストと言うにはちょっとモノ足りず…。もっと狂人なんだよな。
あとは、あんまりあの社会が辛そうに見えないとか、
革命への段階的な説明が欠けているとか。
色々文句もありますが、ラストシークェンスでの
チャイコフスキーのOverture 1812の使い方は凄く効果的で
ここはコミックでは表現しきれない良いところ。
嫌いじゃないけど、途中なんだかダレてしまったので★★★☆☆
[コネタ]
ちなみに原作者のアラン・ムーア先生がこの映画を見て激怒したというのは有名な話。
最後まで仮面をとらない”V”役はマトリックスのエージェント・スミス。
Whatever Happened to the Man of Tomorrow?

原作アラン・ムーア、作画カート・スワンによるスーパーマン・ザ・ラストエビソード。
いつ廃刊になるやもしれぬアメコミのため勢いで購入。
Twitterでもつぶやいてしまいましたが、にわかアメコミファンの私には
イマイチ乗りきれませんでした。
いわゆるDCユニバースで繰り広げられるスーパーマンの最終話なんですが、
それまでのスーパーマンを良く知っている人であればグッとくるのかも。
スーパーマンファンからすると何を言ってるんだと怒られそうですが、
画風もオーソドックスなアメコミのそれであるため
なんだか軽い感じでポンポン進んで重みが無く、重要キャラが死んでも
あれ?今もしかしてホントに死んだ?ってあんまり悲しみも無く。
ちょっと残念な感じでした。
方々で評価を見るにつれ、マニア向けの作品なのかなと。
一緒に発売になったBatmanの方も気になりますが
どんな絵なのか見てみないと…。
バットマンの死をジョーカーなどの歴代の宿敵が語るって設定は面白そうだけど、
アメコミはちょっと休憩かしらん。
あ、でも既に廃刊になったムーア先生のThe League of Extraordinary Gentlemenは読みたいなぁ。
映画のリーグオブレジェンドはダメダメだったけど。
TOP10 / Alan Moore, Gene Ha & Zender Cannon
アラン・ムーア作品。
Top10 vol.1,2はアラン・ムーア作品の中では比較的読みやすい作品。
とは言ってもそこはアラン・ムーアの脚本。
ネズミ、ネコまで全ての生き物が超人的な能力を持つ世界で
レイシズムなどの社会問題を上手く織り交ぜながら西部警察的な物語が展開されます。
背景描写がかなり細かく、ウォッチメンで出てきたロールシャッハ、Dr.マンハッタン
果ては鉄人28号、セーラームーンまで出てくる始末。
ウォーリーを探せ的な楽しみもできます。
この調子でLost Girlsも邦訳版を出してほしいけど、
倫理的に日本での発売は難しいのかな…。
Batman Killing Joke / Alan Moore,Brian Bolland

バットマン作品の中でも名作の誉れ高いアラン・ムーア原作の”The Killing”。
それともう一本、これも評価の高い”罪なき市民”を収録。
今回完全版としてフルカラーで再発されました。
ちなみにアラン・ムーアは”Watchmen”,”From Hell”の人です。
ダークナイトの原作案はむしろこっちなんじゃないかと考えてしまう程
バットマンとジョーカーの対比が上手く描けていて非常に文学的なアメコミです。
ジョーカーの誕生については色々な話がありますが、
ティム・バートン版のバットマン第一作の元になったジョーカー誕生話なのかな。
ラスト・ジョークには色々と考えてしまうところがあります。
他のアラン・ムーア作品よりも読みやすいし、コンパクトにまとまっているので
アラン・ムーア作品未見の人でも始めに読むにはいいかもしれません。
難点は話が2話とカバーイラスト集で1890円とちょっとお高いことでしょうか。
でもこれをフルカラーで出した小学館はエライ。






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