敵 / 筒井康隆
筒井康隆断筆解除後の長編。
図書館で借りて読んでみた。
前半と後半で趣が異なる長編小説ですが、
特に前半部の必要以上に細かい老人の生活描写が異常に面白い。
別に特別な事が起こるわけでもなく、淡々と主人公である儀助老人の
生活を仔細に書いているだけなんですが、筒井先生のさすがの筆力で
ぐいぐい引き込まれます。
あまり筒井作品に登場しなそうな品の良い(鼻持ちならない)老人ではありますが
老人になるというのはこういうことなのであろう、と思えてしまう説得力。
後半にいくにつれて「敵」の正体が徐々に明らかになっていきますが、
ここはいつもの狂気の世界。
毎度のことながら筒井康隆の描く狂った世界はホントに狂ってて恐ろしい。
じっくり読んだらこっちまでおかしくなりそうな文章です。
かなり細かく章立てされていて読みやすいので
筒井ファンは読んでみるといいと思います。
言われなくても読んでるか。
Paprika
監督 今敏
出演(声) 林原めぐみ
江守徹
古谷徹
大塚明夫
山寺宏一
公開 2006年
今敏監督の追悼番組で再見。ブログに書いたような気がしてましたが
記事が見当たらないのは見たのが2年以上前ってことか。
他人の夢を共有するっていうアイディア自体は昔からあるんだろうけど、
この映画がインセプションに与えた影響ってあるのかしらん。
多分ある。と、思えてしまう程今敏監督の手腕が光る映画です。
筒井康隆の原作の狂った描写を見事に映像化していて
尚かつテンポ感も良い。
本当、亡くなられたことが悔やまれます。
東京ゴッドファーザーズとかパーフェクト・ブルーとか
恥ずかしながら未見なので機会があれば見てみたいと思います。
iTunes Storeで配信してくれないかなー。
★★★★☆
旅のラゴス
読了。
後書きにもあったけど、筒井作品としては異色作。
SFでありつつもプロットはオーソドックス。
椎名誠のSF三部作(「アドバード」「水域」「武装島田倉庫」、「銀鼠号」もかな)が好きな人だったら楽しめるかな。ディストピア小説とはちょっと違うかもだけど。
ラゴスの旅を通して人生と重ねて考える。
捻くれた見方をすれば、ラゴスが清廉潔白、誰からも好かれる男で
確かに魅力的なんだけど、ダメな部分もあれば尚面白かったかも…。
でも僕はこの小説は大好きです。






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