極北 / マーセル・セロー著 村上春樹訳

黙示録的な終末世界を生きる人の話。

最近の小説だとコーマック・マッカーシーのザ・ロードが非常に近い世界観を持って描かれていますが、

ザ・ロードが南下する話だとすると、こっちはその名の通り北極圏の話。

どうしてもザ・ロードと比べてしまいますが、

極北は主人公がとてもタフでハードボイルド。

まるでレイモンド・チャンドラーの小説に出てきそうなほどのハードボイルドさ。

結局最後まで感情移入する隙を与えず、それでも小説ならではの力で

奥行きのある世界に引込まれます。

余計な説明はせず、淡々と描写される世界に、冬の静けさと厳しさがうまく表現されており、

次々と放り込まれる過酷な状況も小説でしか表現できない方法で驚かせてくれます。

特にラスト近くの色のつき方が素晴らしかった。

この手の話で村上春樹訳だと雰囲気合うのか心配してたところもありましたが、

村上色を主張しすぎない良訳で読みやすかったです。

今年読んだ小説ではダントツで面白い小説でした。

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